塩水噴霧試験
弊社では工具の表面処理としてクリア焼付けを行っています。(一部製品を除く)
クリアとは工具を傷や汚れ、サビから守るコーティング剤を指します。
クリア焼付けの効果を検証するため、以下の塩水噴霧試験を行いました。
●試験内容
・塩水を工具に噴霧し、サビの発生の経過を記録。
●試験条件
・期間:10日間
・塩分濃度:15%
・工具の状態:研磨後に「①クリア焼付後、油で洗浄したもの」「②油で洗浄したもの」で比較
・工具材料:機械構造用炭素鋼(S58C)
・実験場所:湿度50%以上の屋内
・記録方法:工具の表面のみ写真撮影
実験開始0日目
塩分濃度15%塩水を工具全体に噴霧
気温:7.4℃ 湿度:71% 天候:晴れ
実験開始1日目
①に塩の結晶化を確認 ②にサビの発生を確認
気温:9.2℃ 湿度:65% 天候:晴れ・曇り・雨
実験開始2日目
気温:9.5℃ 湿度:64% 天候:晴れ
実験開始3日目
気温:9.3℃ 湿度:75% 天候:雨
実験開始4日目
①に微細なサビの発生を確認 ②にサビの進行を確認
気温:8.4℃ 湿度:61% 天候:晴れ
実験開始5日目
①にサビの進行を確認 ②にサビの進行を確認
気温:7.7℃ 湿度:59% 天候:晴れ
実験開始6日目
気温:7.1℃ 湿度:54% 天候:晴れ
実験開始7日目
気温:6.9℃ 湿度:61% 天候:晴れ
実験開始8日目
気温:8.8℃ 湿度:60% 天候:曇り
実験開始9日目
①②に結露発生。
気温:7.4℃ 湿度:71% 天候:晴れ
実験開始10日目
①にサビの進行を確認。実験終了
気温:7.4℃ 湿度:71% 天候:晴れ
まとめ
湿度60~70%程度でサビの進行が目視で確認された。②の油で洗浄のみの工具に比べ、①のクリアによるコーティングを施した工具の方がサビにくいことが実証された。
また、湿度50%以下の環境下で同様の実験を行った所、開始8日目で②に1%程度のサビの発生を確認したが、実験終了後、20日経ってもサビの変化は目視では視認出来なかった。
サビにくい工具の保管方法としては湿度50以下での保管が望ましいと言える。
釣りやアウトドアなどで汗・海水等の塩分、埃や汚れが付着した場合、使用後すぐに金属表面の塩分・汚れを拭き取り、防錆油(さび止め油)を塗布・湿度50%以下で保管することで弊社工具をより長く使い続けることが出来る。